10Aug

西国第十七番札所 補陀洛山 六波羅蜜寺は天暦5年(951)
醍醐天皇第二皇子光勝、空也上人により開創されました。
当時京都に流行した悪疫退散のため、上人自ら十一面観音像を刻み、
御仏を車に安置して市中を曵き回り、青竹を八葉の蓮片の如く割り茶を立て、
中へ小梅干と結昆布を入れ仏前に献じた茶を病者に授け、
歓喜踊躍しつつ念仏を唱えてついに病魔を鎮められたということです。
参拝した日は8月8・9・10日に行われる「萬燈会」で
大勢の人が来ていました。
十一面観音菩薩像。
背景に見えるのが本堂です。
十一面観音菩薩像の横の石柱には、回転する石の円盤があり
円盤に書かれた金色の梵字を正面にして、三回手前に回してお願いすると
一つだけ願いが叶うそうです。
本堂の横、弁天社には日本最古の都七福神の弁財天が安置されています。
こちらは平清盛公乃塚。
六波羅蜜寺の宝物館には平安時代~鎌倉時代の彫刻作品の名品の数々が
常時一般に公開されています。
(今回は宝物館には入りませんでした)
念仏を唱える口から六体の阿弥陀が現れたという空也上人立像を
次回は是非拝見したいと思います。
六波羅蜜とは
六波羅蜜とは、この世に生かされたまま、仏様の境涯に到るための
六つの修行をいいます。波羅蜜とは彼岸(悟りの世界)に到ることです。◆布施
見返りを求めない応分の施しをさせていただく事をいいます。
貪欲の気持ちを抑えて、完全な恵みを施すことです。
布施行は物質だけではありません。
◆ 持戒
道徳・法律等は人が作り現在はますます複雑になっています。
私たちは高度な常識を持ち、瞬時瞬時に自らを戒める事が肝要です。
◆ 忍辱
如何なる辱めを受けても、堪え忍ぶことが出来れば苦痛の多い
現代社会において、自らが他の存在に生かされていることがわかり、
全ての人の心を我が心とする仏様の慈悲に通じることとなります。
◆ 精進
不断の努力をいいます。我々人の生命は限りがあります。
ひとときも無駄にすることなく日々誠心誠意尽くすことです。
◆ 禅定
冷静に第三者の立場で自分自身を見つめることをいいます。
◆ 智慧
我々は本来仏様の智慧を頂戴してこの世に生をうけております。
しかし、貪りや怒り愚痴によってその大切な智慧を曇らせてしまいがちです。布施・持戒・忍辱・精進・禅定の修行を実践しどちらにもかたよらない
中道を歩み、此の岸から彼に岸へ・・・。
補陀洛山 六波羅蜜寺の案内
〒605-0813
京都市東山区五条通大和大路上ル東
入山料:境内無料 宝物館:600円
駐車場:なし
電車:河原町駅下車から徒歩15分
京阪清水五条駅から徒歩8分